VIVISTOP NITOBEの遠足「なんとなくあるく、なんとなくあらわれる」
Feel度 Walk × 株式会社図書館総合研究所 × VIVISTOP / 2023
Exploration (探検)ーExpression(表現)ーExhibition(展示)に、みんなで挑む「なんとなくあるく、なんとなくあらわれる」2023年10月、11月、12月の3ヶ月連続の取り組みを実施しました。
「街のいいところをみつけよう」「街の未来を考えよう」そんなテーマは不要。止まってばかりで少しずつ進む歩き方、「Feel度Walk」をしてみれば、街の面白さにどんどん気づいてしまう。街探検(Exploration)は面白い!!
「街のいいところをみつけよう」「街の未来を考えよう」そんなテーマは不要。止まってばかりで少しずつ進む歩き方、「Feel度Walk」をしてみれば、街の面白さにどんどん気づいてしまう。街探検(Exploration)は面白い!!
面白さをたくさん集めたら、あとは表す(Expression)だけ。よーくみて描く。普段絵を描かない、絵が苦手という人も表現できてしまう不思議。
表現がたくさん集まったら、シールにしたり、ポスターにしたり、本にしたり、最後は展示会(Exhibition)までできちゃった!
最初から展示会まで計画していたわけではありません。すべては、なんとなくあるいていたら、なんとなくあらわれてしまった結果にすぎません。この活動には、僕たちが取り戻さなければいけない大事なことを気づかせてくれるのです。
process1 | 街を歩く、写真を撮る。(東京都文京区 茗荷谷)
なんとなく気になるモノ・コト・ヒトを追い求めてあてもなく歩き出す。
Feel度 Walk の作法はそれだけ。ガイドもいなければ、ファシリテーターもいません。
あらかじめガイドブックを読み込んだり、ネットや雑誌などで事前情報を集めることもしません。VIVISTOPを出たら右左どっちに行こうか、次の交差点はどっちに行くか、路地に入るか入らないか、すべてその場でなんとなく決めて歩いていきます。
歩いているだけで、色々なものが視覚に飛び込んできます。これは何だろう。どうしてここにあるんだろう。これは○○みたい見える。複数名で歩くから、人それぞの視点が重なり、自分の視界がどんどん開けていきます。30分経っても、まだたった100mも歩いていなかった。それもまた「なんとなくあるく」楽しさなのかもしれません。
今回のフィールドは、この取り組みで連携している株式会社図書館総合研究所のある東京都文京区茗荷谷。歴史の深いエリアだし、街としての見どころもたくさん!そのはずなのだけど、「止まってばかりで少ししか進まない歩き方」を面白がってしまうと、半径30mのエリアから出ていない!あっという間に1時間以上が経過してしまいました。
process2 | みつけたものを、よーくみて、あらわす(@超図書館総合研究所)
みんながみつけたものを、よくみて描く。大人も子どもも関係なく、みんな夢中の表現時間。
こうして描くものを「知図(ちず)」と呼びます。自分が歩いて見聞きしたコトやモノ、感じたことを一枚の紙に自由に描く自分なりの「発見の記録」です。描くことによって確かな自分の経験知となっていくのです。
process3 | 描いたものを、語る(@超図書館総合研究所)
「僕、本当は絵描くのが苦手で・・・」
「えー!うそでしょう!」
「これは、あそこで見つけたもので・・・」
「あー!わかるわかる!」
「その視点があったのね!」
見つけた写真、描いたもの、それぞれを通じて語られるストーリーをみんなで楽しみました。
process4 | Re:あるく、かく、語る(東京都文京区 茗荷谷/超図書館総合研究所)
process1−3の活動を、1ヶ月後にもう1回。
「もう1回やるの?」誰もそんなこと言いません。面白いとわかっているから、そして「同じ」ではないから。
1ヶ月前はたった半径30mくらいのエリアだったけど、こんどはもう少し遠くまで行ってみる。足元だけじゃなくて、遠くをみたり、上も見たり。やっぱり少し進んですぐ止まるけど、それぞれの「なんとなくセンサー」を全開にして、茗荷谷の街をあてもなく歩きました。
1ヶ月前より季節は進むし、天気も違う。この日は途中で雨も降ってきました。でも雨も決してネガティヴではありません。雨だからこそ行う「雨宿り」。そこでたまたま見つけたものや、人の行動。雨が止んでみえる晴れ間の美しさ。そんなことにも気づいたメンバーでした。
そして、再び「知図」を描く。ロール紙に大きく描いたり、画用紙に描いたり、絵の具で描いたり、色鉛筆で描いたり。「こうしなさい」はひとつもなく、自分で決めて自分で描く。でももう1回やっているから、誰も指示しなくても、みんなそれぞれのタイミングで、描き始めました。
そして再び、描いたものを語りました。
「ちょっとみんなクオリティーもあがってない!?」
process5|集合時間までに、各自で歩く(北区十条)
3回目の最終回は12月。事前に参加者にこうお知らせしました。
「集合場所は、上十条市民センターです。集合時間は13:30です。みなさん、集合時間までに各自でFeel度Walkしてきてくださいね。」
もちろん、これに戸惑う参加者はいません。
当日、集合時間前にバッタリ街で出会っても、
「集合時間までまだ時間あるよね、僕たちはこっち行くね。またあとでね!」
と、新しい街を早速、自分なりのセンサーで楽しんでいました。
process 6|Re:Re:かく、語る + 飾る(上十条市民センター)
最終回の会場は、上十条市民センターの1室。なんてことない部屋に、茗荷谷で描いた「知図」を一気に展示。吊るしたり、貼ったり、なんてことない部屋が、一気に展示会場に変わりました。
今回はこの展示もされている会場で描く、語る。また、途中で再び歩きに行く参加者も!
「今から⚪︎⚪︎の時間です。」「まず、⚪︎⚪︎をしましょう。」
こんなことを誰も言わなくても大丈夫。みんな、自分で考えて、自分で動く!
十条の街で見つけたものを描いた「知図」もこの展示会場に加えいきます。自分で展示場所を選んで、展示。床でも、吊るすでも、壁に貼るでもOK!
描き尽くしたところで、今回も最後は語る!!それぞれの発見と、その表現が本当に面白い!
process 7|活動を振り返る
3回に渡って活動してきた「なんとなくあるく、なんとなくあらわれる」。
この企画は決して「子どものため」ではなく、VIVISTOPクルーはもちろん、親も、図書館に関わる人たちも、みんな同じ立場で活動をすめていきました。最終回の最後には、参加者からも声を集めると「とにかく楽しかった」「少し止まってみると、本当に面白い世界があった!」「少し止まってみることができるようになった」「お母さんが立ち止まってくれるようになった」などなど、参加者自身の変容も感じられる言葉が集まりました。「地域の図書館の活動として非常に可能性を感じる」と図書館に関わる大人たちからのフィードバックもあり、Exploration (探検)ーExpression(表現)ーExhibition(展示)の今回の挑戦は今後大きく展開をしていくかもしれません。
株式会社図書館総合研究所https://www.trc.co.jp/soken/
VIVISTOP NITOBE www.nitobebunka.ac.jp/vivistop
(参考)
知図を描こう!(市川 力,岩波ジュニアスタートブックス,2023)https://www.iwanami.co.jp/book/b636759.html
タイトルイラスト | もちがわ https://www.instagram.com/konmori3/